【書評】億男。お金の正体について知っていますか?

久しぶりに本を買って読みました。
タイトルは億男。
やはりお金にまつわる話、ビジネスの話が好きなのか、本の厚さも厚すぎることもなく薄すぎることもなくちょうど良かったので手に取ってみました。

読了直後の感想は、やべぇ本に出会っちまったな、です。

内容について

宝くじに当たった主人公がそのお金を失くしてしまい、それを取り戻すために30日間奮闘する話。

読み進めていく中で、映画「素晴らしきかな、人生」と似ている作りかなと思ってきました。

この映画は登場人物が「愛」「時間」「死」をそれぞれ担っていて、主人公に必要な言葉を教えてくれます。

この映画もおススメです。

それと、伊坂幸太郎さんの本を読んでいる時のような、終わりに近づくにつれて見事にパズルが完成していく感覚を感じました。

とにかく話がよく出来ていて、読んでいてとてつもなく結末が気になってしまう内容でした。

人は大金を持つとどうなるのか?

この問いの答えを僕自身は自分なりの答えを持っています。それは、人生が退屈になるということです。

大金を手にしたことがないのにどうしてそんなことがわかるの?

って思うかもしれませんが、似たような例として違法ダウンロードがあります。

今ではもちろんやっていませんが、幼い頃に違法ダウンロードにはまってしまったことがあります。

欲しいものがどれでも手にできる状態、ずっと望んでいた夢のような状況。

それを経験した時にはっきりと気付いてしまったんです。

全然楽しくねー、、、と。

そこに到達するまでは高揚し、到達した時は神様にでもなったような気分になりました。

そして、到達後に一気に別世界になります。僕はその時、この世界の根本的なこと、全てを手にしても幸せにはなれない、を学びました。

億男にはお金に関する様々な捉え方や考え方、が登場人物のセリフとともに伝えられています。

それらは一笑に付すようなものは一つもなく、一つ一つが僕らが真剣に向き合わなければならない対お金への考え方でした。

お金の正体とは?

お金の正体について、気づいている人はどれだけいるのか?実際にほとんどの人がお金の正体に気づいておらず、よくわからないままお金と付き合い、お金に翻弄されてるんだと思います。

この事実があるからこそ、この物語は映えます。まず観客に見てもらえるステージに上がります。そして、お金だけでなく、幸せや人生、恋愛や親子の絆についても考えさせる秀逸なストーリー構成によって沢山の観客がこぞって太鼓判を押す良著になっているんだと思います。

感想としては泣けました。そして考えさせられました。

お金について考えることは自分について、人生について、人間について考えることです。

答えが出てないからこそ、考え続けるのがいいと思います。

人間に生まれたからには、その人間が作った、人間しか作らなかった「お金」について深く知れたほうがいいと思いますし、この本はそれを知り始めるいいきっかけになると思います。

最近いい本ない?と聞かれたら、即答で億男を勧めようと思います。