【書評】さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学の感想まとめ

最近は、会社を辞めてブログ運営や小さなビジネスを営んでいることから、会社の社長になった気分で色んなことを考えています。

売上のこと、経費のこと、税金のこと、自分のライフプランや目標のこと。

わからないことが出てくると調べたりしているのですが、一朝一夕に知識が身につかないと思ったのが「会計」です。

今回も、以前読んだことがあった本なのですが、内容もほとんど忘れており、今の自分にとても合った内容だと感じたので「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学」改めて読んでみました。

その感想を書いていきます。

まずは作者について

山田真哉(やまだしんや)

公認会計士。1976年兵庫県神戸市生まれ。大阪大学文学部史学科を卒業後、一般企業を経て、公認会計士二次試験に合格。中央青山監査法人/プライスウォーターハウス・クーパースを経て、現在インプルームLLC代表。元・日本公認会計士補会会報委員長。著書に、『女子大生会計士の事件簿1〜4』(英治出版)、『女子大生会計士の事件簿DX、1〜2』(角川文庫)、『世界一やさしい会計の本です』(日本実業出版社)、コミックス『公認会計士 萌ちゃん1〜3』(集英社)など。『女子大生会計士の事件簿』公式サイトhttp://www.cam.hi-ho.ne.jp/shinya-yamada/

引用:さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

普段あまりきちんと読むことはない本の裏面の作者紹介のページですが改めて読んでみると情報量がかなり多いですね。

著者が他に書いている本や経歴が見れるのでこれを知ってから本を読み進めるのも内容を一段と理解するうえで有効だと感じました。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学」の感想

この本はどうやら「公認会計士である著者が日常にある疑問を会計的に解決することで、会計に興味のない人に会計に興味を持ってもらう」ことを目的に書かれてあるみたいです。

①会計の本質を大まかにつかんでもらう
②苦手意識をなくして、身近なものとして会計を使ってもらう

引用:さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

冒頭のプロローグ部分で著者のこの本に対するしっかりとした想いが伝わってきます。

本編は著者の意図通り、さおだけ屋はなぜ潰れないのか?に代表される日常の疑問点が会計的知識や考察によって見事に分析し解決されており、読んだあとにとてもスッキリします。

あ、これってそういうことだったのかー!!と。

例えばベッドタウンにある高級フレンチレストランはなぜやっていけるのか?在庫を大量に抱えた自然食品のお店はどうして潰れないのか?などです。

どれも気になる、日常にありそうなエピソードなので、とても敷居が低くスムーズに読み進めることができます。

その後後半にかけて徐々に会計の専門的な話も入ってきて、総じて言うととてもよく出来た会計入門書になっています。

会計というのは、

学者からも「会計は長いあいだ勉強をつづけていくうちになんとなくわかってくるタイプの学問だ」

という話が出るくらい難しい考え方らしく、こういった本がないと日本の会計人口は中々増えていかないという現状もあるようです。

なので、会計とかはよくわからないし勉強はしたくないけど、街で見かけるお店の秘密が知りたい、という人にとってとてもいい本だと思います。

興味深かった本の知識

本の中でメインの扱いではなかったのですが、サブ的に語られた知識が印象的だったので紹介します。

東京電力のホームページでも実験結果が公表されていたが、「食器洗い乾燥機を使うのと手洗いするのとではトータルコストに差はない」と結論づけられていた。

引用:さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

これは、食器洗い乾燥機を導入することによって水道代はコスト減になるが、反対に電気代はコスト増になるため、導入の判断基準としては、時間が節約できるというメリットと台所の場所を取るというデメリットを天秤にかけて決めるのがいいというサブエピソードです。

もうひとつ、

クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』という映画は、もともと長時間(4時間以上!)の1本の作品だったのだが、あまりにも長くて映画館で回転させられないので、『キル・ビル Vol.1』『キル・ビル Vol.2』というように分けて、日本ではそれぞれ2003年と2004年といた別の時期に上映した。それも『Vol.1』は『復習』、『Vol.2』は『愛』をウリにして、まるでシリーズもののように宣伝したのだから大したものである。

引用:さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

これは長時間映画は、上映回数の回転率があがらず、映画館に敬遠されるという話。目からうろこですね。この事実も知りませんでした。

まとめ

なんとこの「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」は累計164万部も売れているそうです。

タイトルが良かったのもあると思いますがこれだけ売れ続けているのは間違いなく良著であるからでしょう。

著者は公認会計士を主人公にした小説も書いているようで実に多才で文体もとても読みやすいです。

会社の会計だけでなく、家計の会計についても書かれているので、自身の収入や支出をより管理したり把握したい方も読んでみるとヒントがたくさん手にはいるかもしれません。

会計がわかるようになれば「経済がわかる」「数字に強くなる」「出世につながる」そうです。

引用:さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

ぜひご一読ください。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?の本を既に読んだことのあるかたは、「女子大生会計士の事件簿」もチェックしてみると新たな発見があるかもしれません。私も著者の書いた別の本を読んでみようと思います。