【書評】超少子化の現状と対策。高齢者厚遇の日本でいますべきことは?

いつものごとくビジネス書を手にとろうと思ったが気になるタイトルを発見。

「超少子化 異次元の処方箋(ポプラ新書)」

そういえば、少子化について詳しく知らない。どれくらいヤバい問題で諸外国と比べて日本はどういった立ち位置にいるのかを知りたいと思い読みました。

結果的にとても興味深い題材でした。知らぬ存ぜぬでは通らず、近い将来、自身に降り掛かってくる問題なので知っておいて損はないと思いました。

結論は国も「ゴーイング・コンサーン」していかなくてはいけない

「ゴーイング・コンサーン」という言葉は昨日読んだ「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」に書いていて初めて知った言葉です。

意味は、「継続企業の前提」。会社が将来に渡って事業を継続していくという前提のこと。

言葉自体は会社に限ったはなしだが、これを国にあてはめて考えることもできると思います。

継続していかなくてはいけない。国民一人ひとりの寿命はあっても会社や国は基本的には継続していく前提で考えなくてはならない。

そのために、少子化という問題は必ず解決しなければならない問題で国の存続にまで関わっていく。

そのためにどうするかを少子化を脱却した国や町からヒントを得ていく。

フランスの驚くべき育児支援

これには本当に驚きました。

フランスでは、20歳になるまでの国からの支援総額は、減税される分なども含めて、子どもが1人だと600万円程度。2人では1900万円近く、3人だと3900万円程度になる。日本の場合、子どもが1人で400万円ほど。2人でも3人でもこの額はあまり変わらない。
引用:超少子化

とにかく子どもに関する支援の額が大きく手厚い。

こういった制度を充実させることでフランスは出生率が上昇し少子化を脱却できた。

結局は育児にかかるお金、育児をすることによって削減される労働時間によるお金の減少が「子供を生んで育てる」ということを阻んでいるのが明らかです。

ただし、フランスにはそういった子育て支援をしやすい歴史的な背景があったり、国民の税負担が日本に比べてかなり大きかったりともちろんそれ相応の帳尻合わせはある。

なにもない場所からお金は生まれない。

すごいと思うのは税負担が増してでもそれをすることが自分や後世の発展に繋がると認識し行動を起こせているというところです。

日本は子供よりも高齢者支援にお金が注がれている

悲しいかなこういった現状があるようです。

理由は、選挙で票につながるのは高齢者福祉で、子供ではないから。

先ではなく、目先が重要視されてしまっています。もちろん自分が高齢者だった場合、自分のメリットをさしおいて、子供に財源を振り向けましょうと言える人はなかなかいないと思います。

ただ、これから生まれてくる子供たちがこれからの国を支えていくわけで、そう考えた場合にどちらが優先というよりも、せめて同等の支援を受けなければならないのは明白なのではないでしょうか。

それがわかっているのに行動に起こせないというのは少し残念な気がしてしまいます。

大人が作った貧困を子供に押し付けずに、痛みがあってもそれを受け入れる大人であってほしいものです。

少子化脱却に成功した岡山県奈義町

フランスと同じというわけではありませんが、似たような方法で出生率「2.81」に押し上げたのが岡山県奈義町です。日本の出生率の全国平均は1.42なので、実に2倍です。

子育ての財源を確保するために他を削って捻出。

それだけではなく、岡山県奈義町では町全体で子供をサポートしていこうという想いが広がり官民一体となって子供を育てやすい環境を実現したのです。

あくまでパーセンテージ的な快挙であって絶対数で見るとインパクトはなくなってしまうので、この規模だからできたことで、これを全国に広げようと思っても中々難しいところはあると思います。

それでも同じような条件や環境の町もあると思うので、小さいところから広げていくというのも効果はあるかもしれません。

なにも出生率をあげることが最大の問題ではない

最終的に出生率があがっていけば色んな帳尻が合って安定した国になっていく。だとしても、出生率に反映される数字はあくまで結果であって、それ以前に整えなければならない環境や制度がある。

そして、それらが整って国民に受け入れられた時に出生率は自然と上昇していくものだと思いました。

数字で見ても日本は高齢者の比率が非常に高く、このままでは若者が高齢者を支えきれなくなるという試算がでています。

今はまだどうしよっか〜という段階に見えますが、いずれ、どこかに歪みが生まれても構わないから「子供を安心して育てられる支援策」を強行しなければならなくなると思います。

その時に誰かが大きく傷まないで済むように徐々に整えていくのがいいと感じました。

ビジネスノウハウではありませんが、すでに解決の方法は出ています。やってだめかもしれないし、そこから派生した方法を編み出さなければならなくなるかもしれませんがほぼやるかやらないかです。

日本だからできない、ということはないと思うのでより多くの人に現状を理解してもらい賛同を得やすくするのが急務と感じます。

まとめ

といった感じで中々に読み応えがありました。

最初からめちゃくちゃおもしろい、というわけではありませんが、フランスの子育て支援の現状のあたりから食いつき半端なくなります。

もともとNHKスペシャルで放送されていた番組の取材が元みたいなので、そういった番組が好きな方にはおすすめです。

書評

Posted by yunoche